三曲目は言わずと知れた猛者、呂布さん登場。
実は呂布さんがバトルしてる所をほぼ見た事がない(多分本人にも言ってない気がする)。シンプルに曲とライブがカッコいい人なので呼ばせて頂いた。
最初に呂布さんの名前を聞いたのはもう10年以上昔なので正確に覚えてないが、めっちゃ聴くようになったのは「The Cool Core」。まだ焼き鳥屋でバイトしてた頃に帰りのチャリで”勇者の唄”をよく聴いていた。いわゆる強ぇ気分にさせてくれる曲。こんな強ぇ人と曲やりたいなぁと思っていた。その時にはもう俺達の周りでは名古屋の有名なMCとして認知されていて、そこからあれよあれよとバトルを通じて有名人になっていった。もう簡単に声を掛けられる感じではなく、別の世界に居る人という感じになってた。
2019年の暮れ。中目黒のsolfaでレギュラーで出ていたイベント、KIZAIBANZAIにゲストとして呂布さんが来る事になった。こりゃかますっきゃねえという事で、俺はいつも通り気合い入れてライブをぶっかましたところ、終わった後に「めっちゃカッコ良かった!」と言ってくれた(近距離でずっと観てくれてた)。すげぇ嬉しい。そこからバーカウンターで2時間ぐらいぶっ通しで喋り続けた。お互い個人事業主なので、その苦労と気楽さみたいな話を通して何かを分かち合った夜になった。
そこから少し時を経てMovin’onの仮録りが進んだ頃。過去に作ったものの出来かけだったビートのリメイクも含めてアルバム向けにとにかく数を作りまくっていた。良さげな物がある程度揃い「これは誰に歌ってもらうか」と妄想を巡らしていて、メロディアスで情緒的な曲が多いのでパンチの効いた人が欲しくなった。そこで真っ先に浮かんだのがKMCと呂布さんだった。それにしても濃いな。高二(一留)のトラックに関してはラップではなく歌う感じの人を呼ぼうかとも思ったが、この曲調で呂布さんの強い言葉がガシガシ乗ったらカッコいいんじゃないかと。仮のビート送ってオファーしたら速攻でokを貰った。アガる。
すぐに呂布さんはリリック書いてくれて仮録りのデータが来て、その段階で既に俺が望んだ呂布さんの強さが存分に詰まってた。一回では聞き逃しそうになる程複雑に置かれたライミングはもちろん、硬派なパンチラインで固められてて「俺は才能に甘えてる だって果てしなく甘やかしてくれる」と言い切れる強靭さに震えた。これっす!これっす!という感じでまたアガる。
トラック方面では、元ネタが認識出来ない程にバラバラにしつつも無理のないフレーズに聴こえるように再構築した。普段は隙間だらけのカッコ良さを狙う癖があって、この曲もPitch Blackの”It’s All Real”的な感じにしようとしたが、元ネタの伸びやかなストリングスの雰囲気を活かして敢えて音で埋める方向にした。そしてずっとローパスフィルターを手で弄って変化を付けたループに。ビートはパーカッション混じりの速いドラムブレイクを遅くしてドッシリとしたグルーヴに。俺の好きなBoom Bap。そこへ煌びやかなアナログシンセでメロを足してちょっとだけゴージャスに。ここ近年で渾身の出来のトラック。
音はメロディアスだけどライムは硬派。ワルでもサグでもないがポップでもないハードなHIP HOP。
呂布さんのラップによって成立した、俺の好きなバランスのHIP HOPがこの”高二(一留)”なのである。
KO-ney – The Light
1 Movin’ on ft.岩崎慧(セカイイチ)
2 The Light ft.Ei kikkawa(The Roomies)
3 高二(一留) ft.呂布カルマ
4 Anger
5 Krush ft. DJ Hiroking(Bron 2 Funk)
6 amy feat.ぜったくん
7 Circulate KO-ney&STUTS
8 春はまだか ft.KMC
9 Blue Moment ft.Tamotsu LeftGroove
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