久しぶりに開催される、メーカー協賛のビートライブパフォーマンスバトル。
恐縮ながらその審査員をさせて頂くことになった。
具体的にどんな大会なのか俺から説明しようかと思った次第です。
加えてどういう審査をするつもりかも触れていきます。
・大会概要
ビートメイカーが自分の機材を持ち込んで音を使って2分間ライブパフォーマンスする。
予選はコンテスト形式で、16人から4人に絞った後はトーナメント形式で1対1でバトルする。
勝敗は我々審査員が協議して決めていく。
使用機材は問わない。MPCやMaschineなどのお馴染みのサンプラーだけでなく、PCを持ち込むなり得体の知れないマシンを使うなり好きな環境で自分の曲を演奏してパフォーマンスすればいい。
必ずしもビートライブ=フィンガードラムではないので、ドラムはワンショットで流して、上ネタや別の楽器をパッドを叩いて弾いてもいい。機材の昨日をフル活用し、パッド一個叩けば色んな音が鳴るようにしてそれを使って曲を奏でてもいい。
それをテクニック、オリジナリティ、構成力の三つの観点から審査する。
フィンガードラムが上手くても曲や音の鳴りが良く無ければ不利だし、逆に曲がめちゃくちゃカッコ良くてもほぼその場で何もしてないというのも不利だ。
とにかくその場で2分間、カッコいい曲を何らかの形でパフォーマンスしてその場の人間達を魅了する事が重要。
もちろん俺一人で審査する訳ではないが、トータルで最もバランスのいいショーをした人が優勝するような着地になればいいと思ってる。
・シーケンス禁止
ポイントなのが”再生ボタン使用禁止”。
つまり打ち込んで組み上げてきた物をただ再生する事はルール違反。基本的にはその場でリアルタイムに演奏する必要がある。
しかし、長めのループをパッドなどに仕込んで使うのはOK。極端な話、パッドを一発叩けば2分の曲が流れるように仕込むというSP404などでビートライブする時の手法を使うのもOKという事。
OKだがそのやり方だと当然テクニックポイントが入らないので圧倒的に不利になる。信じられないぐらい曲が良ければフィンガードラムでバシバシ演奏する人に勝てる事もあるかもしれないが、大会の趣旨としてはパフォーマンスも重視するのでその可能性は限りなく低い。だが曲を丸々掛けた上で何か面白い事をすれば勝機はある。
シーケンスが無くとも工夫次第で見せ方は沢山ある。最近のライブでシーケンス多用しまくってる俺が言うのもなんだけども。
・判断基準
前例が少ない大会だし、ダンスのように具体的に”この技はポイントが高い”みたいのがある訳でもないので、結局は「サンプラーを使ったショーとしてカッコいいか否か」で判断する事になる(少なくとも俺は)。めちゃくちゃ曖昧な世界だが、この大会が続く事でその辺の定義を固めていけたらと思ってる。
「指ドラムやる奴って演奏は出来てるけど音が良くない、曲がダサい」
と言われて
「MPCで生でやってんだからいいだろ!これがHIP HOPだ!」
と何も分かってない反発をしてきたばっかりにイマイチな所で燻る20代を過ごした俺としては、みんなもその辺を意識を挑んでくれたらと願ってます。
・とは言え楽しく交流しようぜ
色々言ってきたけどもまだまだ小さいコミュニティなので、基本的にはこの大会をきっかけに参加者同士や遊びに来たプレイヤー達が繋がってくような日になってくれれば嬉しい。というか俺自身がバトルに対してすげぇ臆病なので「当日はみんな楽しくやればいいじゃん!」ぐらいに思ってる。この日誰が勝ったかとか負けたとかはそんなに重要じゃないので。
まだまだ始めたてで尻込みしてる人も試しに応募してみてほしい。
演奏始めて半年でエントリーして、予選でガチの手練れにボコボコにされて負けて悔しかったけど、今振り返ればそれはそれで変え難い経験だったと思ってる男がここに居るので大丈夫だ。
恐らく観てるだけで面白いイベントになるのは間違いないので、ビートメイカーじゃない人たちも遊びに来て欲しい。
審査員やりつつ俺自身もライブをするので、そのプレッシャーに心をやっちゃいそうになってる俺も見届けておくれ。