MPCと61鍵が合体したMPC KEY61が登場。
AKAI Professionalさんから(ほぼ永久的に)お借りした。いつもありがとうございます。
MPC LIVEなどと同じOSでスタンドアロンでも使える。RolandのFANTOMシリーズや古くはKORG TRITONシリーズのような、いわゆるオールインワンワークステーション。俺はステージで演奏を披露するようなレベルで鍵盤が弾ける訳ではないけれども、制作の際はマスト使うビートメイカーとしての視点で気に入った要素を書いていく。
個人的な目玉コレ。生音系のソフトシンセが大幅に追加されてどれも実用性のある物。現行のMPCと同じサンプラー機能を備えながら、このレベルのソフトシンセが使えるのは結構凄いんじゃなかろうか。これらは他のMPCにも対応してるが、最初から付属してくるのはMPC KEY61だけで、それ以外の機種では購入する必要がある。
・Stage Piano
ピアノ音源。高級感のあるプリセットを多数揃えている。ビートメイクで運用可能するには十分。
・Stage E. Piano
エレピ音源。かつてのMPCシリーズにはオマケ程度にエレピソフトが入っていたが、それとは段違いのクオリティ。中音域の豊かさとハンマー感が気持ちいい。
・Studio Strings
かなり細くエディット出来るストリングス音源。プリセットから選ぶだけでも、良く聴くような音が揃っている。
・Organ
オルガン音源。ジャンル毎の定番プリセットが充実していて、エアー感がそこそこリアルで使い易い。
・Fabric XL
強靭なデジタルシンセ。去年追加されたhypeの強化版のような立ち位置。かなり即戦力なプリセットを揃えていて、個人的には808ベースとシンセブラスが近代的な音楽に活用出来る印象。2種類のオシレーターをレイヤーして豪華なサウンドに出来る。他にもピアノ特化型のFabric Pianoなどがある。
・OPx-4
近年再び流行りつつあるFMシンセ音源。80’sライクというには少しハイファイなので、現行のシンセウェーブなどに対応した音作りに向いてる印象。
リアルタイムに演奏する人にとっては重要な所。KEY モードに入ると、読み込んだプラグインを音域ごとに指定して同時に使える。低い音域はベースで、真ん中はピアノで、高い方はシンセで…みたいな演奏が可能。もちろんそれらを全てレイヤーして弾く事も出来る。そこまで弾かない俺としては使わないので、どちらかというと現場で弾く事を想定した機能と思われる。
鍵盤にパッドが付いている物は数多くあるが、レスポンスが悪かったり数が少なかったり如何にもオマケという感じで実用に耐えうる物は殆どない。その点こちらはMPC ONEと同じ少し小型のパッドを採用。パフォーマンスに使うことも十分出来る。まぁ、MPCの名を冠してるから当然かもしれないが、本当にMPCに61鍵が合体したと考えていい。
ボタンなどは現行のMPC STUDIOの物と同じで、リボンコントローラーも付いている。タッチ画面と併用できる機種は今の所この機種だけだ。各項目に飛ぶ専用ボタンが多く、SHIFTキーとの組み合わせによるショートカットでほぼ全ての項目に即座にアクセス出来る。あとは、個人的に永らく熱望していた「一小節移動キー」が実装された!!昔のMPCには付いていたが近年はカットされていた要素だ。結構使うのよコレは。
以上が、現状でのMPC KEY61に対する印象。
他にも追加されたエフェクトなどはあるが、そちらは他のMPCシリーズもアップデートで追加される要素なので、今回はここまでに留めておく。
最近はサンプルよりも鍵盤を弾いて作る割合が多い俺としては、両方を一台に纏めてくれたのは有り難い。余程のことが無い限りこれを使っていくだろう。